高性能車載コンピュータ向けソフトウェアプラットフォームであるAUTOSAR Adaptive Platform に関する研究・開発を、複数の企業が参加する共同研究(コンソーシアム型共同研究)で推進しています。
車載ソフトウェアプラットフォーム標準化団体であるAUTOSARは、2016年から高性能車載コンピュータ向けソフトウェアプラットフォームAUTOSAR Adaptive Platform(A2P)を開発しています。NCESは、2018年度から、AUTOSAR Development PartnerとしてAPシステムテストWG(WG-AP-ST)に参画し、参加企業と協力しながら、以下を目標として活動しています。
MBSEツールからAPへのモデル変換を検討し、検討確認のためのツールを試作しました。本研究の成果はETNET2022において「MBSE ツールを用いた AUTOSAR プラットフォームのビジュアルモデリングと設計手法」というタイトルで発表を行いました。本ツールを使うことで、MBSEツールを使ってAPのビジュアルモデリングの設計が行るようになります。
APの仕様書は、誰でも無償でダウンロードして閲覧できますが、そのファイル数や文量は膨大です。興味のある内容を短時間で把握・理解するために、主要機能に限定して日本語解説書を作成しています。
APDを使用してアプリケーション開発を始めるためには、様々な準備・設定が必要で、多くの場合、ビルドのエラーに悩まされます。少しでも時間を短縮し、アプリケーションの開発に注力するために、様々なターゲットボードとバージョンに対応する環境構築マニュアル(手順書)と、仮想マシンやDockerコンテナを活用したアプリケーション開発環境の自動構築手段を開発しています。
本格的なアプリケーション開発を始める前の試作段階では、主要機能の理解やプログラム方法を短期間で理解することが重要です。主要機能ごとに、シンプルなサンプルアプリケーションプログラムを独自に開発しています。これらを組み合わせることで、アプリケーション開発を促進できます。
ROS(Robot Operating System)向けに開発されたRPMを題材としたデモキット)を、APを使って動作させるデモプログラムを開発しました。PCとRPMがあれば、APを使った制御アプリケーションをすぐに動かし、動作のイメージを理解できます。RPMの実機がなくても、PCのみで体験できるシミュレーション環境も用意しています。このデモキットを使用した教育教材も開発中です。
成果物の利用ライセンスを有償で提供しています。APの理解やアプリケーションの試作を始めるための時間を大幅に短縮できます。販売内容やライセンス形態、価格の詳細は、お問い合わせください。
A2Pコンソの概要、参加するメリット、参加形態、知財の取り扱いなどをご紹介します。内容は、2020年11月時点のものです。